行政書士試験合格は地獄の始まりでもある
2025年1月29日
令和6年度の行政書士試験の合格発表のようです。
今後の人生をかけて勝負をした人
独立開業のために受験をした人
次の難関資格受験・合格のための通過点に過ぎない人
いろんなかたがいると思います。
ここで、僕から一言申し上げたいのは、
行政書士試験合格後、その行政書士資格を一本で、
独立開業を考えているかたは、やめたほうがよいです。
地獄の始まりです。
行政書士資格で止まらず、次の資格を、次の世界を目指してください
行政書士試験に合格できるのであれば、その知識がほやほやのうちに、
司法試験を目指すべきです。
これからの士業界は、弁護士一択になる、一択になるべきだというのが僕の持論です。
司法試験、つまり、弁護士であれば、
司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士など隣接士業の業務は当然にできるのが基本です。
つまり、大は小を兼ねるという感じです。
行政書士、そして、僕が現在扱っている交通事故分野に関しては、
(1)交渉事ができない(弁護士の領域)
(2)労災保険関連はできない(弁護士・社会保険労務士の領域)
など、行政書士のみで完結する仕事は本当に少ないです。
そうすると、
・他士業との連携が必要になり、その連携がうまくいかずストレスになったり、
>当然に報酬分配や外注費などの問題が発生します
・お客さんを混乱させる(ここまでは行政書士に、ここからは弁護士に、など)
>ここでも、報酬の問題が発生して、行政書士に払ったのに、今度は弁護士にも払うの?
という、本当にめんどくさい事象が発生いたします。
交通事故以外の分野の業務でも、
(A)登記は司法書士に、
(B)税金は税理士に、
など、行政書士のみで完結する業務はほとんどないのではないかと考えています。
司法試験一択、士業は弁護士だけでじゅうぶんです。
行政書士資格一本で、独立開業をするのではなく、
司法試験といわないまでも、
自分がやりたい分野に応じて、自分のみで完結できるような仕組みを構築してから、
独立開業することをおススメいたします。
行政書士だからできる、という仕事はなくなります
次に、時流です。
行政書士ができる書類作成は、基本、行政書士じゃなくてもできます。
僕個人の意見としては、行政書士じゃないとできない書類は本当にごくわずかです。
そして、これからAIの発達より、
申請者の、会社名(氏名)・代表者名・住所・決算書・業務受発注履歴などをデータベースに入力をしておいて、
「今回はこの許可・認可の申請をしたい」とクリックをすれば、
自動入力のうえ、書類を作成し、申請までオンラインでできる仕組みに今後なります。
つまり、考える必要のない作業が増えるため、
行政書士なんか必要がなくなるわけです。
「この人だから」という0→1ができる弁護士領域はまだ必要です
一方、弁護士は、まだそうはいきません。
争いは、人の心が起こすもの、人の心は複雑なものですので、
AIでの自動処理は、まだ難しいように考えます。
いわゆる、高度な考案が必要な交渉・文書が求められるわけです。
そして、
「この弁護士だから解決できた」という属人性が高い仕事です。
一方、行政書士はだれでもできる書類作成なので属人性は限りなく低い仕事です。
こう考えると、僕は士業としては、やはり司法試験一択、という考え方で、
司法試験以外だったら、目指す必要も、資格を取得する必要はないと考えています。
士業だけが仕事ではなく、もっと広い人生・仕事の世界があります。
付け加えると、行政書士が、脱サラ人間の逃げ場になっている風潮もあります。
サラリーマンがとにかく嫌で、行政書士なら難易度も低く、独立しやすい資格だから取得して、
実際独立してみたけど、行政書士の資格をつかって、
なにがしたかったかわからない人も多数で、
ろくな業務選択さえもできない合格者・独立開業者が続出しているのが行政書士の世界です。
せめてものアドバイスをしよう
とはいえ、司法試験は難易度が高い、
でも士業業界を諦められない方へのアドバイスをするとすれば、以下の資格です。
もちろん、行政書士は除外です。
税理士・公認会計士
=税金・会計の知識・処理は個人・法人問わず必須で、専門性も高いです。
社会保険労務士
=保険・年金の問題も、個人・法人問わず必須です。
独立というより会社内で活躍をしたほうがよいです。
弁理士
=知的財産の保護の意識は今後より高まる傾向にあるため専門性高く闘えます。
宅建士
=不動産関係で稼ぎたい人は持っておいても良い資格です。
転職などの際も保有していると良い資格と考えます。
圧倒的に行政書士よりも使える資格です。
行政書士の世界よりも、もっと広い世界を目指せ
行政書士資格を取得したぐらいで人生が変わるのは本当に一握りです。
そして、今後、期待できるような資格ではありません。
合格後は、高揚感と無敵感で、世界がカラフルに見えるかもしれませんが、
それはあくまで幻想です。
令和6年度の行政書士試験に合格した人は、
周りの家族・友人など、支えてくれた人・環境に感謝してください。
そして、不合格になった人は、あきらめて違う道を模索してください。
行政書士資格を保有しても、なんの意味もないので、本当に安心してください。
このコラムを読んで、僕に興味を持ってくれた人は、ぜひ、ご連絡ください。
行政書士の先輩風を吹かせて、有料でアドバイスをいたします。