Archive for the ‘むちうちの後遺障害申請について’ Category
目先のお金?その先のお金?(自賠責保険)
先日から、Yahoo!知恵袋に、
僭越ながら、「交通事故」、「後遺障害」、「むちうち」でお悩みの方の質問に対して、
回答しております。
現時点までの気づきは、ご質問者の大半は、
・6ヶ月超の通院をしない、
・3~4ヶ月くらいで治療を終えて目先の通院慰謝料が欲しい、
・そもそも後遺障害等級制度を知らない?、
という印象です。
むちうちは、3~4ヶ月で治るという書籍もありますが、
弊所のご依頼者は、数年経過しても、気圧の変化や季節の変わり目など、
調子は良くない、という方もいらっしゃるのは確かです。
実際、後遺障害等級評価(14級・12級)を受けている方もいます。
3~4ヶ月で治療を終える方は、
・完治した方
・完治はしてないけど目先の30~40万円の通院慰謝料が欲しい方
のどちらかであるようにも察します。
6ヶ月未満で治療を終えてもいいのですが、
6ヶ月超は通院してみて→後遺障害診断書を取得してみて→後遺障害等級申請をしてみて、
という流れを採るのも良いと思います。
運よく、後遺障害等級14級でも認定されれば、
受け取れる賠償金総額が100万円を超えてくる可能性もあるわけですから、
深呼吸をして、腰と腹を据えて、事を進めても良いと思います。
別に、行政書士や弁護士に頼まなくても、
主治医先生の協力を得られたり、
自分で自賠責会社に準備すべき書類の問い合わせをしたり、
ができれば、自分で自賠責保険の請求はできるわけですから、
とりあえず、準備してみて、申請してみて、もいいと思います。
目先の30~40万円をもらうか?
ちょっと我慢して100万円超をもらうか?
あなた次第です。
後遺障害の等級が決まるまでのスケジュール
申請から結果通知までの流れを案内すると、
(1)相手方自賠責保険会社へ自賠責保険請求書類を送付
↓
(2)相手方自賠責会社が書類の不備等の有無を確認
↓
(3)相手方自賠責会社から管轄する自賠責損害調査事務所に書類を送付
↓
(4)自賠責損害調査事務所が詳細に損害調査
↓
(5)損害調査完了後、相手方自賠責会社に損害調査の結果報告と書類の送付
↓
(6)相手方自賠責会社が損害調査結果を確認し、自賠責保険金の支払がある場合は自賠責保険金の支払
となります。
この自賠責保険請求書類の送付先を確認するためにも、
交通事故証明書が必須です。
そして、(1)から(6)までの期間としては、
1ヶ月~3ヶ月を要します。
新型コロナ禍以降のリモートワーク・時短営業等の影響もあり、
申請後の(4)の損害調査にかなり時間を要している印象です。
また、異議申立申請の場合は、
(4)の損害調査にあたって、
被害者が通院した「すべての医療機関」に医療照会が入り、
この回答に要する時間も医療機関ごとに異なるため、
より時間を要します。
行政書士申込は委任状が必要(交通事故証明書)
交通事故相談を受ける場合、
確認したい交通事故証明書。
この交通事故証明書は、
自動車安全運転センターに交付申込をします。
申込ができる人は、
・事故当事者
・委任を受けた代理人(行政書士等)
などです。
行政書士が代理申請する場合、
委任状が不要だった時期がありましたが、
最近は、委任状の提出を求められます。
FAX送信で、
管轄自動車安全運転センターに送れば事は済むのに、なんか面倒に感じます。
確かに、交付申込書だけでは、
行政書士の存在などなどを確認できないから、
個人情報保護の観点から重要な対策なのだろうけど、
やはり面倒くさいというのが正直な気持ちです。
MRI撮影は、「メディカルスキャニング」がおすすめ
むちうちを受傷し、
手の痺れなどの神経症状が出現した場合、
主治医先生の指示にてMRI撮影となることがあります。
この時、その医療機関の提携先があれば、
その提携先で撮影することにあります。
ですが、もし主治医先生が許してくれるようであれば、
MRI撮影は、「メディカルスキャニング」がよいです。
理由としては、メディカルスキャニングは、
MRI撮影専門機関ということもあり、
とても詳細で正確な画像診断を受けることができます。
市立病院などによっては、
(A)画像の解像度が悪いことにより「異常なし」の所見や、
(B)「交通事故によるものかは不明」とのコメントや所見を受けることもあり、
後遺障害等級申請・審査の際、良い材料とはいえません。
その点、メディカルスキャニングさんは、
(A)画像の解像度が高いので新しい所見を得られる可能性がある、
ことから、画像所見の再取得など、
セカンドオピニオンの際は、
選択肢の一つとして、ぜひご検討ください。
交通事故後の後遺障害申請の進め方
交通事故後の怪我の治療費、通院した分の慰謝料など、
賠償金に関する悩みや不安が出現すると思います。
交通事故による怪我の場合、
短期間で治ることが最善ですが、
3ヶ月経過しても、6ヶ月経過しても、
症状が改善しないことがあります。
この時、自賠責保険上の後遺障害等級申請というものを検討すべきかと思います。
この後遺障害等級申請による「認定」は、
申請をすれば必ず認定されるわけではありません。
したがって、交通事故後、
早期から自賠責保険上の後遺障害等級制度を意識しておくことが、
最適な進め方だと思います。
具体的には、
・救急搬送後の次の整形外科には週3回程度は通院しておく、
・主治医先生と信頼関係を築いておく、
・行政書士に相談してみる、依頼を検討する、
などです。
「自分の怪我は ”たかがむちうち” だから・・・」、
となんの想定も準備をしない方は、
症状が改善しないとき、
うまく賠償問題が進まないとき、
後悔や泣き寝入りすることになります。
準備をしておくだけで、申請をしなくてもよいのです。
準備が大切です。
追突事故で死亡事故?
死亡事故が起きたようです。残念です。
伊豆大島で車が歩行者に追突 40代男性が死亡 島での死亡事故は9年11カ月ぶり
https://news.yahoo.co.jp/articles/63751de3af955800853890b36af6289c80c7d4fe?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20240927&ctg=dom&bt=tw_up
追突事故でも、
「歩行者」が追突されれば死亡事故になり得ます。
被害者側が歩行か自転車かバイクか車かで、
軽微の首痛から死亡まで被害がそれぞれ異なります。
事故態様はそれぞれまったく違うのだから、
同じ追突事故、
同じ診断名、
同じ診断書類、
であっても、
みんながみんな後遺障害等級が認定されるわけではありません。
「後遺障害認定に必要な診療録の準備」
自賠責保険の「後遺障害部分のみ」被害者請求をする場合は、
請求者側(=被害者側)が、
交通事故証明書、
事故発生状況報告書、
診断書・診療報酬明細書
施術証明書・施術費明細書
後遺障害診断書、
画像資料、などなど、
上記の書類等を用意するのが原則です。
上記の中で、
診断書・診療報酬明細書
施術証明書・施術証明書
等の診療録は、
請求者側が、相手方損保会社に希望を出せば、
コピーをもらうことができます(無料)。
この時、「原本照合済み印を押印してください」、と加えますと、
なお、万全です。
ただ、健康保険や労災保険を適用している場合は、
被害者側が診断書費用を用意して(=つまり有料で)、取得することが基本です。
この被害者が有料で取得した診断書費用は、
領収書をもって、示談交渉時に請求&回収を試みます。
交通事故後の休業補償について
休業損害を請求できる条件
1.交通事故による怪我を負い、
2.そのために仕事を休んだことにより、
3.収入が減った場合
に、休業損害を請求することができます。
ポイントとしては、
仕事を休んだことによって、収入が減ったことが要件であり、
収入が減らなかった場合は、
休業損害が請求できないことになります。
そのため、会社役員や経営者は、
休業損害の請求と支払いを受けるのが難しい場合があります。
休業損害と逸失利益
そして、休業損害は、症状固定を基準に変化いたします。
具体的には、
(A)症状固定前=休業損害として請求します。
自賠責書式に休業損害証明書があり、
請求する方がお勤め会社の担当者に作成してもらうことが基本です。
(B)症状固定後=後遺障害逸失利益として請求します。
逸失利益というのは、「本件事故による怪我がなければ将来得られたであろう利益」として、請求いたします。
逸失利益は、自賠責保険上の後遺障害等級が認定されることにより請求できる損害項目ですので、
後遺障害等級の認定を得ることができなければ請求できません。
このことからも、後遺障害等級があるか、ないかはとても重要ですよね。
また、逸失利益の金額は、基礎的な計算式がありますが、
簡単なものではなく、
この請求や交渉は、弁護士の仕事の領域で、弁護士の真価が問われます。
後遺障害等級申請はだれがする?
自賠責保険上の後遺障害等級申請(異議申立申請)を、
お受けした場合、
弊所の名前で申請いたします。
稀に、ご依頼者から、
後遺障害等級申請に必要な書類を弊所で収集サポートをして、
↓
申請は、「○○法律事務所 弁護士○○」と、依頼している弁護士名でお願いします、という要望をいただきます。
理由はよくわかりませんんが、
弁護士の名前で申請した方が後遺障害等級認定を取りやすい???
といった程度の理由かな、と察します。
しかし、
「○○法律事務所 弁護士○○」で後遺障害等級申請をしても、
非該当になる時は非該当になります。
これは実際にあります。
現時点の弊所の見解では、
自賠責側が弁護士に対する忖度がないようで、この点、自賠責側が好きです。
弁護士の申請で「非該当」であったために、
弊所に異議申立申請の相談・依頼がくるので、
申請者が弁護士だからといって、認定率が高い・上がるわけではありません。
この点、よく覚えておいてください。
後遺障害等級申請に必要な書類だけ集めて、
申請は弁護士の名前でお願いします、と言われると、本当に憤りを感じます。
こういったことがあると、
本当に残念な気持ちになり、悲しくなり、
サポートをやめたくなりますので、今後は辞任します。
症状の連続性と一貫性の重要性
自賠責保険は、
症状と通院の連続性と一貫性を重視しています。
具体的には、
交通事故後、
A病院→B整形外科→C整形外科という流れで通院をして、
C整形外科で症状固定を迎えたとします。
この時、C整形外科で「手の痺れ」が後遺障害診断時に残っていて、
後遺障害診断書にも記載されたものを用意して、
自賠責保険の被害者請求をしたとき、
「手の痺れ」の連続性・一貫性がポイントになります。
被害者請求後、
自賠責側からA病院・B整形外科・C整形外科に医療照会が入り、
上記、すべての医療機関で「手の痺れ」が、
”初診時から終診時まで”認められないと、
自賠責側は、「連続性・一貫性なし」と判断して、
後遺障害等級「非該当」の評価をしてくることがあります。
本当に厳格な審査だと感じます。
交通事故後から「手の痺れ」が出現する人もいれば、
数日後に痺れを感じ始める人もいます。
この外傷性の怪我の実態と自賠責側の審査に、
大きな”溝”があるがために、
残存症状と後遺障害等級に整合性がとれない現実があります。
楽じゃありません。
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