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高次脳機能障害は「見えない」(交通事故・自賠責保険)
頭部外傷後の「忘れっぽくなった」は要注意です
交通事故による頭部外傷後の症状は、意外にも見落とされがちです。
受傷直後は、出血や骨折など「見える怪我」に治療を優先しがちで、
事故後の物忘れなどの記憶障害は事故によるショックで一時的なものとして済まされてしまう可能性もあるように考えます。
実際は、脳波に異常があり、てんかん発作が出現するボーダーラインの脳波状態であることもあり、
その状態での車の運転はとても危険です。
また、被害者本人がお年を召している場合の事故後の物忘れは、
「年相応」と診断されることもあり、脳神経外科への受診の指示もされていないこともあります。
必ず頭部外傷があったか否かを確認すべきです
交通事故による怪我とその後の後遺障害の関係性はとても重要なため、
交通事故相談の際は、相談者に煙たがられても、
「どういう交通事故であったか?」というところから聞かなければならないと感じています。
自賠責側は、事故から相当期間経過後に新たに追加された診断名は、
因果関係をばっさり切る傾向にもありますので、
最初の聞き取りによって、どういった症状かを確認しなければ後手にまわります。
相談の冒頭から「弁護士特約ありますか?」と聞く弁護士は要注意です
こういった、事故態様や現在の症状の聞き取りをないがしろにして、
対面面談時の冒頭から、
弁護士特約があるか?
相手損保会社はどこか?
仕事はなにをしていて年収は?
と弁護士報酬の皮算用をすることも大切な経営視点なのかもしれませんが、
もっと聞くべきポイントがあります。
交通事故と高次脳機能障害(自賠責保険・後遺障害)
交通事故後の高次脳機能障害は見落とされがちです。
交通事故により、
頭部外傷の他に、
頚椎・肩・股関節
などもあわせて受傷した場合、
事故後の救急搬送先の医療機関による手術部位の回復や後遺障害について、
主に目が行きがちです。
そのため、手術後・退院後は、整形外科や形成外科には定期的に受診をしています。
このケースは多いです。
しかし、交通事故による頭部外傷、外傷性くも膜下出血なども受傷した場合、
高次脳機能障害という「見えない後遺障害」が残ることがあります。
事故後、特に外見の変化はないのですが、
物忘れ、感情の変化(怒りっぽくなった・うつ傾向が強くなった)、知能低下などが表れることがあり、被害者本人はその症状に気づかず、周りの家族などが気づくこともあります。
周囲のご家族等が、被害者に上記のような症状を感じた場合、
速やかに脳神経外科を受診して、脳波検査など精密検査を医師に依頼してください。
脳神経外科の受診は、本当に見落とされがちです。
頚椎や肩などの整形外科部分の後遺障害も重要ですが、
頭部外傷後の「脳の後遺障害」もとても重要です。
この見落としを防ぐためには、
被害者・そのご家族は、相手損保会社任せにせず、
診断書を取り寄せたりして、最低でも診断名は確認したほうが良いかと考えます。