Archive for the ‘むちうちの後遺障害申請について’ Category
後遺障害の種類とその特徴(交通事故・自賠責保険)
見えない障害・見える障害
自賠責保険上の後遺障害等級には、
大きく分けて、
(A)見えない後遺障害
(B)見える後遺障害:上肢または下肢の切断など
の2種類に大別されると考えます。
弊所で多くお手伝いしている、
むちうち(頚椎捻挫)に関しては、
(A)見えない後遺障害
に該当します。
むちうちの症状は、
・首の痛み
・手の痺れ
など、外部の人からはその症状が見えないため、
「見えない後遺障害」に該当します。
見えない後遺障害については、他に、
・高次脳機能障害
・脊髄損傷
なども該当します。
見えない障害だからこそ、慎重に丁寧に立証をすべきです
弊所の見解では、交通事故外傷は、
見えない後遺障害が大半かと考えます。
例えば、
・鎖骨骨折
・腰椎捻挫
・骨盤骨折に伴う股関節可動域制限
など、受傷直後や手術直後は、
「見える後遺障害」になろうかと考えますが、
治療を継続するにつれて、
固定装具なども外れていくため、
徐々に「見えない後遺障害」に移行すると考えます。
見えない後遺障害だからこそ、
相手や他人に伝わりにくく、
「本当に症状があるの?」と思われてしまい、
事故後の二次被害とも言うべき、ツライ思いをする被害者もいらっしゃいます。
後遺障害認定の成功事例(交通事故・自賠責保険)
後遺障害認定にはまず「土台」が重要です
弊所でサポートを多くしている、
頚椎捻挫(むちうち)に関しての成功事例は、
ご依頼者ごとに十人十色と言えます。
基本的な後遺障害等級認定のための土台としては、
(1)6ヶ月以上の通院
(2)週3回以上の定期通院
(3)整形外科をベースに通院
の3つとなります。
この土台があってようやく、
(A)MRI所見の内容
(B)神経学的所見の内容
(C)後遺障害診断書の記載内容
がポイントになってきます。
医学的根拠があっても認定されないこともある
先述の(1)~(3)の通院という土台がないにも関わらず、
「MRIにはヘルニアがある」、
など医学的な部分を主張をしても意味を成し得ません。
まずは、6ヶ月以上、週3回以上の、整形外科の通院、
これが本当に重要です。
ただし、この通院をクリアしても、
後遺障害等級認定されないご依頼者もいらっしゃいます。
一方、全体的な通院回数が少ないご依頼者でも、
後遺障害等級認定を得ることがあります。
正直、後遺障害等級認定基準は、
画一的な部分がなく、
これをやれば認定される、
これがあれば認定される、
というものは存在しないようにも感じます。
交通事故後に出る症状とその対応(むちうちの場合)
むち打ち症状は、事故から数日後に出現することがある
弊所で多くお手伝いをしている、
交通事故による頚椎捻挫(むちうち)の症状についてですが、
まずは、
A.事故直後から出現する症状
B.事故から数日後に出現する症状
に大別されます。
特に、B.の場合は、
事故直後の興奮状態や緊張のあまりに症状を感じず、
警察への届け出のみで、
事故当日に医療機関を受診しないこともあります。
事故当日に医療機関の診察を受けなかった場合の対処
この場合は、
(1)事故種別が「物件事故」で処理されている
→後日、人身事故に切り替える必要がある
(2)症状が出現しても、しなくても事故翌日には医療機関を受診する
→事故から日にちが経過すると事故と怪我との関係を否定され、相手損害保険会社に治療費等の補償をしてくれなくなる可能性がある
の2点の争点やポイントが出てきます。
また、むちうちの場合は、「頚部痛」が一般的な症状ではありますが、
事故後から手や腕の痺れが出現することもあり、
この症状を感じたら、医療機関の主治医先生に早期に伝えて、
カルテなどに記録をしてもらうことがとても重要です。
後遺障害認定の申請のタイミング
症状固定の原則と例外
自賠責保険の後遺障害認定の申請のタイミングは、
(A)頚椎捻挫や腰椎捻挫などの場合(原則)
=事故から6ヶ月以上を経過後
(B)高次脳機能障害やPTSDなどの場合(例外)
=事故から1年以上 又は 治療開始から1年以上
というのが、最適な症状固定時期であり、
後遺障害申請時期であると考えます。
症状固定日の設定は本当に重要です
自賠責保険の場合、
症状固定日がとても重要で、
頚椎捻挫を例にとりますと、
事故から5ヶ月未満(180日未満)で症状固定をした場合、
後遺障害等級認定は「ない」と考えてください。
さらに言うと、最初の症状固定日が「事故から5ヶ月未満(180日未満)」の場合、
その後、異議申立申請をしても、
後遺障害等級が認定(非該当→14級など)されることは相当に難しいと思います。
この症状固定日の設定を見誤る、
・医師
・弁護士
もおりますので、本当に注意が必要です。
インターネット情報は「きっかけ」に過ぎない
交通事故でむちうち受傷
↓
頚椎MRIでヘルニア発覚
↓
後遺障害等級認定、確定
という一連の流れになる、と勘違いしている人は少なくないです。
ヘルニアは単なる医学的所見です。
後遺障害等級は、
適切な治療、
身体を治す努力を愚直なまでに行ったうえで、
症状が残存したかたに評価が与えられるものです。
「ヘルニア認定=12級認定」
という公式はないと考えた方が良いです。
情報に踊らされてますよ。
インターネットの情報は、なにかを始める「きっかけ作り」です。
きっかけを作った後は、
自分の五感で一つ一つ確認することが必要です。
「頚椎ヘルニア=12級」ではない(自賠責保険)
交通事故による頚椎捻挫(むちうち)を受傷して、
頚椎部MRIに「ヘルニア」の所見が出ても、
それがイコール12級になるとは限りません。
この考え方は間違いと言っても過言ではありません。
頚椎部にヘルニア所見が認められても、
・非該当もあり得えますし、
・14級もあり得ます。
ヘルニア所見は重要な要素ではありますが、
あくまで一つの判断材料という見方もできます。
自賠責保険の後遺障害等級の認定評価は、
総合的・客観的な視点から判断がなされるものです。
局所的な視点で、
ヘルニアがあるからといって等級認定に直結するわけではありません。
非該当の時にがっかりするので、
要らぬ皮算用はやめた方が無難です。
自賠責保険の後遺障害審査は時間がかかる
審査には時間がかかります
以前は、
弊所から相手方自賠責会社に、
被害者請求書類(異議申立書類)を送付完了し、
自賠責会社から弊所に受付確認書が届いてから、
ほとんど間を置かず、医療照会のための同意書が送られてきました。
しかしながら、最近は、本当に遅いですね。
自賠責会社の書類受付から管轄自賠責損害調査事務所(後遺障害審査機関)に書類が送付されて、
1ヶ月~1ヶ月半ほど経過後に、
ようやく同意書が送られてくることもあります。
新型コロナ禍を機に働き方・働く時間の意識が変化したように思う
弊所の見解では、
新型コロナ禍以後のリモートワークの推奨によるものも原因と察しています。
つまり、審査等が遅くなっている正当な理由付ができるようになりました。
それにしても、遅い。
遅いことは譲歩する代わりに、
書面審査による、重箱の隅をつつくような審査をせず、
被害者の症状に見合った後遺障害等級の評価をしてほしいものです。
後遺障害等級認定の有無が重要です。
弁護士のすべてが交通事故に強い・詳しいわけではない
交通事故によるむちうちを受傷し、
今後の損害賠償請求をしっかり実行したいとなった場合、
まずは、自賠責保険上の後遺障害等級認定があるか否か、が重要です。
そこで、被害者は、
インターネットで検索して、
弁護士を探すのが基本かと思います。
交通事故分野でも「着手金ビジネス」はあるので注意
しかし、その弁護士は、
弁護士特約から着手金が払われた後は、
電話は事務員任せ、
症状固定日が事故から5ヶ月でも気にも留めない、
案の定、後遺障害等級「非該当」。
被害者が異議申立申請の希望を出しても、
協力的ではなく、むしろ逃げ腰。
こういったケースは本当によくあります。
そういった弁護士は多いですよ。
弁護士特約からの着手金を受領した瞬間に仕事が終わりみたいな弁護士。
「いっちょあがり」といった感じでしょうか。
依頼する側にも責任はあります
一方、被害者側にも、弁護士の選択ミスはあります。
弁護士特約があるから、
自分の懐が痛まないから、
なんの検討も、調査もせず、
「交通事故専門の弁護士」というネット広告を鵜呑みにして、
依頼をしてしまう。
しかし、結局、依頼をしたにも関わらず、
被害者自ら症状固定の相談を医師にしたり、
被害者自ら後遺障害診断書を用意したり、取得したり、
なんのために依頼したのか?
わからない状態の被害者もいると思います。
依頼をする時の弁護士の美辞麗句に惑わされてしまうケースもあるのでしょう。
自賠責保険の後遺障害等級認定は甘いもんじゃない。
弁護士の名前で申請したって、
100%認定される訳ではありません。
依頼する側にも、”交通事故専門じゃない”弁護士に依頼した責任はあります。
原則、依頼を受けないのが弊所の方針です
絶対保証ができないからこそ、慎重になります
交通事故による自賠責保険上の後遺障害等級申請によって、
後遺障害等級の認定は、絶対に認定されるものではありません。
「これは認定される」と断言する専門家には要注意です。
したがって、弊所では、
原則、依頼をお受けしないという姿勢で相談に応じます。
具体的な相談時の流れは、
・事故日の確認から始まり、
・事故状況
・相手方の情報、相手方損害保険会社の情報
・相談者側の保険加入状況
・相談者自身の仕事や日常生活のスケジュール
などなどをお聞きします。
いかに難しいか、を知ってもらう
ここから、自賠責保険上の後遺障害等級認定に至るための対策を提示する訳ですが、
認定の最低条件・認定のための土台として、
(1)6ヶ月超の通院期間の案内
→6ヶ月間超も通えないよ
(2)週3回以上整形外科への通院の案内
→週3回も通えないよ
という提示に対して、ご相談者の回答になるようであれば、
後遺障害等級認定申請をしても、認定の可能性はかなり下がるため、
弊所は依頼をお受けしない、という判断をすることも必要です。
もちろん、可能性が少ない中でも、
しっかり、交通事故賠償問題と向き合い、
できることをやりたいという前向きなご相談者であれば、
そのなかで、弊所からアイデアを提示して、
納得のいく解決に向けて、共に最善を尽くします。
弁護士特約の存在も問題
弊所は、着手金ビジネスをやるつもりはありません。
上記、交通事故の状況やご相談者が通院できるか否かなどをお聞きし、
後遺障害等級認定の可能性が明らかに低いのにも関わらず、
ご相談者をなんとか説得して、
(A)弁護士特約からの着手金目的で受任
(B)ご相談者自身からの着手金目的で受任
と、そんな哲学も思いやりもない受任をしないよう、
弊所は気を引き締めております。
完全成功報酬制の功罪(交通事故・自賠責保険)
着手金0円は、「自信がない」と言ってるようなもの
士業界の、とある業務分野の中には、
着手金0円
の
完全成功報酬制
が存在しています。
本当に邪魔です。
この完全成功報酬制については、
以前から弊所は疑問を持っていまして、
弊所では採用していません。
理由としては、
(1)依頼の受け手側も「ダメでもともと感」があり、責任感と緊張感が生まれない
(2)もし、委任契約が辞任・解除となった場合、報酬として、売上としてなにも残らない
(3)依頼する側も「0円だから」ということで、
ネットでは「交通事故専門」を標榜はしているが実は専門ではない人に依頼をしてしまい、
結局、なんの解決にも至らず後悔する
と全くもって良いことなし、という弊所の見解からくる独自の判断です。
※一番の理由は(2)です。
そもそも、弊所のアドバイス一言に経済的価値があると思っているので、
無料相談に関しても正直、対応したくありません。
0円でとりあえず受けちゃおう
士業の中には、
「いま受任件数が○○件でね~」と自慢する風潮もあり、
とにかくお客様がたくさんいること、忙しいをアピールする人もいます。
そういう人は、
薄利多売の発想の部分もありますので、
安くとりあえず受けちゃう、という傾向もあります。
しかし、
蓋を開けたら、実務能力がなく、事件遅滞・事件放置なんていうこともあり得えます。
連絡すればいつも事務員さん、担当先生はいつも不在、のようなイメージです。
お金を払って、商品を買う。
お金を払ったから大切に使う。
着手金0円サービスはこの発想が抜けるため、
お客様の客層も悪くなります。(弊所の見解)
本当に交通事故専門???
着手金0円の同業者に相談をしたかたが言っていましたが、
・ろくに話も聞いてくれない
・とにかく依頼をしてください、依頼をしてください、だけの提案
・自転車同士の事故なので、自賠責保険が使えないことを案内も、提示もしない
など、交通事故専門というよりは、
人として話をしっかり聞けない同業者がいることに辟易します。
弊所も気を引き締めます。
インターネットで検索して、
上位に挙がってくるすべてが、交通事故専門である、わけではありません。
ご注意ください。