Archive for the ‘骨盤骨折と自賠責保険の後遺障害等級’ Category
減らない飲酒運転
お盆の時期でお酒を飲んで運転をしてしまったのか・・・
16日も交通事故のニュースが流れました。
無免許・飲酒でバイクに… 歩いていた親子をはねた疑いで46歳男を逮捕
母親は左腕 娘は骨盤を折る重傷
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ab137cbb312ed8ef8d420fb178aeaf6484e2cd9
無免許のうえに飲酒運転で事故を起こされるなんてとても恐いですね。
骨盤骨折は、ただの骨折とワケが違う
まずは、本件でお怪我をされた方には心よりお見舞いを申し上げます。
さて、被害者のお1人が骨盤骨折を受傷した、との報道ですが、
骨盤骨折は、ただ”骨盤を””骨折”しただけではありません。
骨盤骨折を受傷し、出血性ショックで死亡するケースもあるとのことで、
本当に恐ろしい怪我の一つです。
骨盤骨折でも、通院期間と通院日数はとても重要です
弊所の骨盤骨折を受傷したご依頼者は、
通院期間:1年6ヶ月ほど
通院スタイル:
(1)救急搬送された病院:月1~2回の定期診察(退院後)
(2)自宅近くの整形外科:週2~3回の定期リハビリ(退院後)
残存する症状:股関節の可動域制限など
がほとんどです。
後遺障害等級としては10級11号の認定が多数です。
骨盤骨折は、交通事故後、救急搬送され、手術対応になることが多いので、
変形障害に至ることは少ないようです。(弊所の見解)
それにしても、大きな怪我を負わせてしまった加害者本人とそのご家族は、
いま、どういう気持ちで、
これからどのように賠償責任を果たしていくのでしょうか。
交通事故による骨盤骨折と後遺障害等級PART2
骨盤骨折は、被害者がバイク乗車時に多い
本件のご依頼者は、
”一下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの”として、
自賠責保険上の後遺障害等級第10級11号の認定を得ました。
本件事故態様としては、
ご依頼者がバイクで直進中、
左方から相手方自動車に衝突されたものです。
骨盤骨折は、バイク事故が圧倒的に多いです。
ご相談当初は、歩行にかなり苦労をされていて、
これで後遺障害等級として評価されなかったら、
どうしようかな、と不安に思いました。
どんな大怪我でも後遺障害等級認定の確証はない
どんな大きな事故でも、
小さいと思われる事故でも、
必ず後遺障害等級として評価されるとも、
されないとも言えません。
このケースは、労災保険案件であったので、
前回PART1でご案内したケースと同様、
相手損保会社からの治療の打ち切りなどの交渉事はなかったので、
安心して事案を進めることができました。
月1回の定期診察+地元の整形外科で定期リハビリも有効
症状が安定してきたころには、
救急搬送→手術→入院対応をしてくれた医療機関にて、
月1〜2回の定期診察になっていたため、
それ以外は、
ご依頼者の地元の整形外科にて、定期リハビリを重ね、
実通院日数をしっかり確保するという対策をしました。
そして、事故から約1年6ヶ月後に、
症状固定の判断となり、後遺障害診断書の作成となりました。
記載内容のポイントは、
(1)受傷時の画像所見
(2)症状固定時の画像所見
(3)股関節の可動域検査値
3つでした。
主治医先生にはかなり協力いただき
”漏れなく、ダブりなく”の最善の後遺障害診断書でした。
この後遺障害診断書を基に、
被害者請求を実施し、
結果として、股関節の1/2以下の可動域制限を認定いただき、
自賠責保険第10級11号の認定を得ることができました。
交通事故による骨盤骨折と後遺障害等級PART1
骨盤骨折は、股関節の可動域制限を発症する
弊所のお客様のケースでは、
「一下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として、
自賠責保険上の後遺障害等級第10級11号の認定を得たケースがあります。
具体的な症状は、骨盤骨折に伴う、
股関節の1/2以下の可動域制限となります。
骨盤骨折は「死亡事故」にも匹敵する
本件事故態様としては、
ご依頼者がバイクで直進中、同一方向に進行していたトラックが、
ご依頼者が走行する車線に、
車線変更をしてきて衝突されたものです。
状況を想像すると、死亡事故にも匹敵します。
本件事故は労災保険適用となっていたため、
相手損保会社の治療費に関する打ち切り交渉などのストレスがなく、
手術、診察、リハビリを継続できました。
交通事故の場合でも労災保険を適用してもらうことも良い選択
弊所の意見としては、
相手損保会社が治療費の打ち切りなどの交渉がうるさければ、
速やかに労災保険に切り替えるのも一つの手かと考えます。
また、本件はご依頼者と各医療機関の主治医先生との信頼関係が構築されていたため、
弊所は、積極的に医師面談などで表に出ず、
ご依頼者をとおして、主治医先生に各お願いをさせていただきました。
※この見極めも重要で、なんでもかんでも医師面談をする必要はありません。
かなり大きな事故であったため、
診断名が多く、
症状固定時にどの部位について、
集中的に後遺障害診断をしてもらうかがカギとなるケースで、
ご依頼者の症状の推移については、神経を使いました。
結果として、
(1)骨盤骨折由来の後遺障害、
(2)鎖骨骨折由来の後遺障害、
の2部位に焦点をあてて後遺障害診断書の記載をしていただきました。
労災保険適用の場合は、揃える書類に見落としがないように注意
本件は労災保険適用案件なので、
本件事故で通院をしたすべての医療機関から、
通院の一貫性・連続性を証明するための、
(1)自賠責書式診断書
(2)自賠責書式診療報酬明細書
の取得もしなければなりません。
※整骨院の通院があれば、施術証明書・施術費明細書も必須です。
この点が、見落としやすいポイントです。
自賠責保険審査では、一貫性・連続性の証明がポイント
労災保険適用案件の場合は、
通常の相手損保会社の任意一括対応(相手損保が治療費の補償をしてくれるなど)と違って、
治療や通院先の履歴は、被害者が証明すべきと考えます。
例えば、事故後、
(1)A病院(手術・入院、月1回の定期診察・後遺障害診断書作成)
(2)B整形外科(月15回程度の診察・リハビリ)
という通院スタイルだった場合です。
この場合、A病院の診断書・後遺障害診断書だけでは足りません。
A病院では、
入院・手術後、自宅療養に切り替わった後は、
月1回の定期診察と仮定すると、
症状固定日までの実通院日数が少なくなる傾向にあります。
どんなに大きな怪我であっても、
後遺障害等級認定が保証されているわけではありません。
やはり、症状固定日までの実通院日数(週何回リハビリに努めたか)が重要です。
よって、大きな病院での月1回の定期診察に加えて、
通いやすい整形外科と併用通院をすることをおススメいたします。
これらのことから、B病院についても、
弊所・被害者側から主導的に診断書の作成を依頼をすることがポイントです。
B病院に関しては、
「月15回程度の診察・リハビリ」に努めたことを診断書によってアピールし、
・定期的にリハビリを行い回復に努めた証明
・実通院日数の証明
が可能になり、後遺障害等級の認定をより高めます。