後遺障害認定には6ヶ月の通院が必要(交通事故・自賠責保険)

自賠責保険の審査は「原則と基本」を好む

交通事故による頚椎捻挫(=むちうち)を受傷して、後遺障害等級認定を目指すのであれば、
(1)事故日(=治療開始日)から6ヶ月超の通院
(2)週3回程度
(3)整形外科
の通院をすることが後遺障害等級認定のための土台です。

この認定のための土台は、頚椎捻挫に限らず、
他の怪我、他の診断名であっても、基本的に変わりませんので、
自賠責保険上の後遺障害等級認定を得るための原則の一つです。

この原則に従っていなければ、手の痺れが残っていると主張をしても、
仮に、その被害者の通院状況が、
・総治療日数が160日(=5ヶ月と10日)
・通院日数が90日(=通院のペースは合格)
の場合は、
総治療日数(=治療期間)が6ヶ月未満であるため、
自賠責保険上の後遺障害等級が認められることはありません。

あと20日ほど頑張って通院をするだけで、
後遺障害等級の認定対象となった可能性があるのに、情報不足であったのか、焦ったのか、
理由は定かではありませんが、実にもったないケースも見受けられます。

後遺障害等級がなければ示談金額は上がらない

弁護士に依頼をして、示談金額増額ができる場合というのは、
後遺障害等級が認定されている場合」に限るとも言うことができます。

つまり、後遺障害部分の損害である、
(A)後遺障害慰謝料
(B)後遺障害逸失利益
の2点しか慰謝料が増額する伸びしろはありません。

具体的に、被害者の年収500万円・14級認定のケースで見てみます。

(A)後遺障害慰謝料
任意保険基準:40万円
弁護士基準:110万円
となり、差額70万円となります。

(B)後遺障害逸失利益
任意保険会社提示 (労働能力喪失率3%・労働能力喪失期間3年)
500万円×3%×2.7232(労働能力喪失期間3年のライプニッツ係数)
=40万8480円

弁護士基準 (労働能力喪失率5%・労働能力喪失期間5年)
500万円×5%×4.3295(労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数)
=108万2375円
となり、差額67万3895円となります。

上記のように、後遺障害等級の認定を受けることによって、
任意保険基準の提示額から弁護士基準へ増額交渉をすることにより、
示談金が増額する可能性は高まります。

弁護士に依頼するか否かは慎重にしてください

たしかに、後遺障害等級の認定を得られれば、
弁護士に依頼するメリットは出てきます。

しかし、「弁護士に依頼をしない」という選択肢も持つべきだと思います。

ご自身の交渉力や調整力に自信があれば、自分で示談交渉する方法もあります。

いつまでも平行線となりそうな場合は、
交通事故紛争処理センター」に紛争申立をすることにより、
無料で、弁護士基準での解決あっせんをしてくれます。

弁護士費用特約があるからといって、無理して使う必要はなく
交通事故対応が下手な弁護士に依頼をするくらいなら、
自分で示談交渉をして、任意保険基準でも、速やかに示談をする、というのも良い解決の一つであると考えます。

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